更新日 2023年6月21日
近年は地球温暖化の影響か、夏の気温が以前よりも上がっていますよね。
最高気温が35℃を超える日も、珍しくありません。
いつもより早くやってきた猛暑の日々で、疲れが溜まっている方も多いのではないでしょうか。
だるい、眠りが浅くて疲れが取れない、食欲も落ちがち……それは、夏バテ・残暑バテのサインかもしれません。
つらい夏バテ、これからやってくる残暑バテに備えて、暑さに負けず自律神経を整えましょう。
目次
「だるい」「疲れが取れない」「食欲がない」それって夏バテかも
暑い日々が続き、湿気を含んだ熱風が吹く日本の夏。病気というほどではなくても、ちょっとつらい不調が続いていませんか。
それは夏バテかもしれません。
だるい・疲れが取れないときは夏バテのサイン
夏が苦手という方は多いですよね。
特に近年は35℃を超える酷暑やゲリラ豪雨、線状降水帯など、これまで経験したことのない天候の異常が頻繁に起きるようになっています。
「だるい」「疲れが取れない」「食欲がない」「夜ぐっすり眠れない」
上記のような不調が続いているなら、それは夏バテのサインかもしれません。
夏バテは、体があなたに呼びかけている、熱中症の警報です。
冷たいものばかり飲んで食欲ダウンしていませんか
暑いと冷たい飲み物に、つい手が出てしまいますよね。
氷をたっぷり入れた清涼飲料水やアイスコーヒーを、1日に何度も飲んでしまう方も多いでしょう。
しかし、同時に食欲が落ちていることに気付くことはありませんか。
熱中症対策のために水分を摂取することは重要です。
でも冷たいものを摂りすぎると、かえって食欲ダウンにつながったり、熱中症の症状が進んでしまったりするのです。
夏バテってどうして起きるの?
夏バテって、どんなイメージがありますか。
「暑くてグデ〜っとなる感じでしょ」と、軽い印象があるかもしれませんが、実は放置して欲しくない、夏の怖い不調です。
そこで夏バテとはなぜ起きるのか、夏バテのとき体はどんな状態になっているのかをご説明しましょう。
夏バテは自律神経の乱れが起こす不調です
夏バテは、自律神経の乱れが起こす体の不調です。
自律神経は内臓の働きや体温、血圧の調整などを担う、生命活動に不可欠な調整機能です。
スイッチオンの役割を果たす交感神経と、オフの働きを持つ副交感神経が絶妙なバランスを取りながら、体調を正常に保っています。
夏バテは、体調を整える自律神経が乱れることで、体のいろいろな機能に不調が起きている状態です。
そして、夏バテで参っている体には、すでに熱中症の症状が出ています。
夏バテ・自律神経の乱れのメカニズムを知りましょう
夏バテと自律神経の乱れについて、もう少し詳しくメカニズムを解説します。
自律神経は、交感神経と副交感神経というスイッチのオンオフを上手に使い分けて、内臓の働きや体温調整、血圧のバランスなどを、24時間健康に保っています。
常に絶妙な微調整を行っている自律神経は、外的・内的なストレスでバランスが崩れることがあります。
外的ストレス | 内的ストレス |
・暑さ ・温度差 ・極端な湿度(じめじめ・乾燥) ・紫外線 ・災害 ・社会不安 ・事件・事故 など | ・睡眠不足 ・ミネラル不足 ・栄養バランスの崩れた食習慣 ・運動不足 ・不安 ・焦燥感 ・恐怖 など |
夏は暑さだけでなく、エアコンがキンキンに利いた屋内と屋外との寒暖差もあります。
また屋外の湿度とエアコンによって乾燥した屋内の湿度にも、激しい差が出ますね。
外に出たり窓際で仕事をしたりしていると、紫外線にもさらされます。
暑さによる睡眠不足や食欲不振による栄養バランスの偏りなども、自律神経を乱す原因です。
暑さと温度差や紫外線、睡眠不足や運動不足など、いくつかの要因が強く結びついている点も特徴です。
熱中症の自覚はなくても体は熱に負けています
また、最近は上手に【汗】をかけない方が増えています。
汗をかきにくい方は、冷えながら暑気に負ける、不思議な熱中症を起こしやすい体質の持ち主。
暑くてバテているのに冷え性とは、どんな症状なのでしょうか。実は日本人女性に多い、【冷える熱中症】について解説しましょう。
冷房の中で暮らしていても熱中症になる!
35℃を超える危険な暑さの中では、エアコンの使用は欠かせません。
しかし、エアコンで冷えた屋内で生活していても、熱中症になりかけている方が多いことはあまり知られていません。
エアコン生活をしているのにだるい、疲れが取れない、よく眠れない……そんな方はすでに熱中症の可能性がありますよ。
特に女性は、【冷える熱中症】に注意が必要です。
エアコンをつけているのにだるいのはなぜ?
1日の最高気温が38℃、最低気温が30℃、という日には、24時間エアコンが欠かせませんよね。
暑さを我慢することは大変危険なので、エアコンを控えることはやめましょう。
でも、快適なはずのエアコンをつけているのにだるさや疲れが取れず、胃腸も不調なのは、夏の激しい気候によって自律神経がダメージを受けているからです。
夏には、自律神経にダメージを与えるものがたくさんあります。
・外と室内との温度差
・外の高い湿度と室内の乾燥の差
・紫外線
・冷たい飲食物による内臓(消化器)の冷え
・水分の摂り過ぎによるミネラルバランスの崩れ
・寝る前のスマホ習慣
・寝苦しさ
自律神経は体温や内臓の働き、血圧などさまざまなバランスを保っているため、温度差が激しい場所の行き来やミネラルバランスの崩れを繰り返すと疲れてしまいます。
また冷たい飲食物の摂りすぎで内臓が冷えると、内臓の活動が低下し、食欲が落ちます。
寝る前にスマホを眺めていると、寝つきや睡眠の質の低下につながることはよく知られていますが、夏は日の出が早いため、一層脳が休まる時間が減ってしまいます。
これらの自律神経の乱れによる不調がある「夏バテ」中の方は、すでに熱中症の症状が出ている状態です。
そしてもう一つ、大きな要因があります。
それは体質による汗のかきかたの違いと、水分調整の違いです。
夏なのに汗をかかないって体に良くないの?
汗は、体温調節や体内のミネラルバランス調整、水分量の調整など、さまざまな役割を持っています。
そのため、汗をかくことは大切な機能ですが、近年はエアコンによる冷えすぎなどが原因で、発汗機能が低下している方が増えています。
暑いと汗をかくイメージがありますが、実は体質によって汗のかき方は大きく異なります。
わかりやすく表現すると、【サボテン】と【水草】の違いです。
サボテン体質 |
水分を体内にどんどん溜めて、外に出そうとしません。 葉っぱをトゲに変えて水分の蒸発を防ぐサボテンのように、汗をできるだけかかず、体内に水分を留め続けます。 その結果むくみが起き、冷えの原因になります。 |
水草体質 |
常に水分を補給していないと、どんどん水分が外に出て行ってしまいます。 水の中で生きる水草のように、水を与えないとすぐにカラカラの水分不足に陥り、バテてしまいます。 |
サボテン体質の方は暑くても発汗機能が低下し、あまり汗が出ず、体内に水分が溜め込まれてむくみの原因になります。
むくみは体を冷やし、血行不良や内臓の働きを鈍らせるなどの影響をもたらします。
このような体質の方は、体内に水分を溜めてむくみ、冷え性を起こしながら熱中症になりやすいのです。
・汗や尿の量・回数が少ない
・むくみが気になる
・手足の冷えが夏場も気になる
・体の先端は冷えるのに上半身、顔はのぼせがち
・ダイエットに苦労しがち
水草体質の方は、汗をたくさんかきます。
発汗機能が活発で汗をかくことは、一見健康的です。
しかし、水分と一緒にミネラルも流れ出すため、水分と栄養をしっかり補給しなければバテてしまいます。
・汗っかき、トイレが近い
・あまりむくみが気にならない
・手足の冷えは気にならない
・すぐに喉が渇き、バテがち
あなたも汗のかき方やむくみ、冷え、喉の渇き方などを見直して、どんな汗のかき方をしているか、どちらの体質に近いかをチェックしてみてくださいね。
夏バテや熱中症に負けない体づくり【生活編】
夏バテや熱中症、残暑バテに負けない体づくりを、生活習慣から見直してみましょう。
エアコンは上手に使ってだるさを吹き飛ばして
現代日本の夏の暑さは、非常に危険なレベルです。
体の冷えが気になってエアコンをつけずにいると、重篤な熱中症で命の危険もあるため、エアコンはしっかり使いましょう。
エアコンの上手な使い方をご紹介します。
・体に直接冷風を当てない
・適度に水分を摂取して脱水を防ぐ
・温度を下げ過ぎず、外気温との差を大きくし過ぎない
・扇風機などで空気を循環させ、冷えすぎを防ぐ
天然の熱さまし「汗」をかくことも大切です
汗は人間の体がもともと持っている、熱さまし機能です。
顔汗でメイクが崩れたり、服が濡れて臭ったりするため女性には敬遠されがちですが、汗をかくことは新陳代謝とも関係します。
汗を敬遠しすぎず、適度に汗をかくことで、むくみの原因となる体内の水分排出が促されます。
また不快な末端の冷えや、上半身ののぼせの予防にもつながります。
水草体質の方はたくさん汗をかきますが、その分水分とミネラルを補給しなければエネルギーが不足します。
水分・エネルギーの不足に注意しましょう。
夏前から暑熱順化で汗をかく練習を
夏になってから急に汗をかこうとしても、暑さに負けて結局夏バテしてしまいます。
そこで、暑くなり始める5月前頃から、暑熱順化で汗をかく練習をし、汗腺の働きを活性化させましょう。
軽い運動や、足湯や半身浴で気持ちの良い汗をかくことを繰り返すと、少しずつ汗が出やすくなってきます。
夏バテや熱中症に負けない体づくり【食事編】
夏バテや残暑バテ、熱中症に負けない体づくりを、食事の面からご紹介します。
スイカは美味しい熱中症対策食
水草体質の方は、水をたくさん飲んでも喉の渇きに悩まされることがあります。
そんな時は、熱中症対策に古くから食べられてきた、スイカをおやつにしてみてください。
スイカの赤い部分は美味しくて、喉の渇きを止めてくれます。
またスイカの皮は古くから薬に使用されるほど、夏バテ対策の栄養価に優れているため、スイカの皮のお漬物もおすすめですよ。
季節の不調を吹き飛ばすのは季節の野菜!夏野菜を食べましょう
古来中国医学では【医食同源】という言葉が重視されてきました。
体は食べたものから作られるのですから、健康な食生活が健康な体の基礎になることは当然のことわりですよね。
そんな中国医学では、季節の不調を整えるために、季節の食べ物が良いとされてきました。
夏といえば、夏野菜が美味しい季節ですね。
ナスやきゅうり、トマト、ゴーヤ、スイカ、ズッキーニなど、美味しい夏野菜は体の熱をさます作用を持ち、夏の不調におすすめです。
胃を冷やすと消化不良に!冷たいものはなるべく控えて
暑いとつい冷たいものばかり食べたくなりますし、飲み物にも氷を入れて冷やしてしまいがち。
でも胃を冷やすと消化機能の低下につながり、消化不良から食欲不振につながりがちです。
梅雨時の湿邪でもお話しましたが、水分の摂りすぎや胃を冷やすことは、胃腸を弱らせる原因になります。
エアコンの中では白湯やドクダミ茶など、温かいものを飲むと胃を温めてくれます。
コールドドリンクを飲む場合は、氷を入れずに飲みましょう。
水草体質の方は喉が渇く前からこまめに水分補給をしてください。
サボテン体質の方は、喉が渇いたらちょこちょこ温かいものを飲むことがおすすめです。
だるさは気(エネルギー)不足!うなぎ・ニンニクは夏にぴったり
夏バテや残暑バテで起きるだるさは、エネルギー(気)の不足からくるとされています。
つまり、スタミナ切れですね。
夏はアイスやかき氷、ビールなどに手が伸びがちですが、スタミナを補給できる栄養価の高い食べ物も摂りましょう。
うなぎやニンニクは夏にぴったりの食材です。
土用の丑の日は、実は理に適っているので、積極的に食べてスタミナを補給したいですね。
ニンニクは苦手な方も多いので、おすすめしたい商品がキヨーレオピンをはじめとするレオピンシリーズです。
歴史ある漢方製剤で、日本で最も馴染み深い強壮剤のひとつです。
ぜひ薬局スタッフにお問い合わせください!
残暑バテにも気を付けましょう!体調はすぐに元には戻りません
最近は、お彼岸を過ぎても暑い日が続きますよね。
昔は「暑さ寒さも彼岸まで」と言いましたが、今は夏がとても長くなっている気がします。
そのため、暑さにさらされる期間も長くなり、残暑バテを起こす方も増えています。
35℃を超えるような酷暑の日々が過ぎても、まだ暑さとの闘いは続きます。
胃を冷やさず、あなたの体質に合った水分補給を行い、スタミナも補給しながら長くなった残暑をしっかり乗り越えましょう。
自律神経を整え栄養を摂って夏バテを乗り越えましょう
夏バテや熱中症、残暑バテは、内外から襲いかかるさまざまなストレスに、自律神経が疲れ切って起きることが多い症状です。
またサボテン体質、水草体質を知らずに水分補給を行うと、水分の溜まりすぎからむくみや冷えにつながったり、エネルギー不足でバテたりします。
夏バテや残暑バテ、熱中症気味の症状が続いているかなと感じたら、すぐに当薬局らくらくファーマシーにご相談ください。
COVID‑19流行から、ずっと不安やストレスが溜まっている、という方も多いでしょう。
病は気から、と言います。
ストレスも自律神経の乱れに大きな影響を与えるため、健康に少しでも不安を感じる方は、お気軽に遊びに来てください。また、トークでの健康相談にも応じておりますので、LINEのお友達登録をお願いします。