梅雨の時期になると、「なんとなく体が重だるい」「頭がぼーっとする」「胃腸の調子がよくない」といった声をよく聞きます。これは漢方でいうところの“湿邪(しつじゃ)”、つまり体の中にたまった余分な水分が原因かもしれません。
体内の水分を循環をさせて巡りを整えよう
湿度の高い日が続き、さらに冷たい飲み物や食べ物をとることが多くなるこの季節は、体の「水はけ」が悪くなりやすく、むくみや倦怠感、頭の重さ、食欲不振や下痢などの不調が出やすくなります。
こんなときは、まず冷たいものを控えることが大切です。アイスや冷たい飲み物は内臓を冷やしてしまうため、できるだけ温かいお茶や食事を心がけましょう。とくにハトムギ茶や黒豆茶など、体の余分な水分を外に出す作用のあるものがおすすめです。

また、梅雨時は汗をかく機会が減ることで、体内の水分循環が滞りがちになります。軽い運動や入浴で、1日に一度は汗をかく習慣をつけると、体の巡りが整いやすくなります。
漢方薬では「五苓散(ごれいさん)」という処方が、こうした水分の滞りによる症状に使われます。むくみ、頭重感、下痢などに効果があり、体の水はけを良くする手助けになります。ただし、漢方は体質との相性があるため、気になる方は薬剤師にご相談ください。
“ジメジメ”の季節を少しでも快適に過ごすために、体の中から湿気対策を意識してみてくださいね。