五月病を吹き飛ばす!心の疲れ・ストレスを溜めない習慣を

4月は人生の門出を迎え、新たな生活をスタートする方が多い時期ですね。
桜もきれいに咲いて、季節は春!
がらっと変わる環境に、胸も弾むのではないでしょうか。

一方で、激しい環境の変化に対応しきれず、不調を訴える方も少なくありません。
4月は1年で最も不登校児が増える時期で、うつ病を訴える方も多いということを、ご存じでしょうか。
春の変化についていこうと頑張って、頑張って、頑張りすぎた心と体は今、悲鳴をあげているかもしれません。
あなたや、あなたの大切な家族の心身が放つ、声なき「悲鳴」に気付き、調子を取り戻しましょう。

新生活にともなう疲れや不眠、五月病など、春の不調を感じたとき、あなたはどのように乗り切っていますか?
適度な休憩やリフレッシュ、睡眠の質向上、体内時計のリセットなど、いろいろな方法がありますね。
それでもうまくいかないとき、漢方という方法もあります。

漢方イメージ

ストレスに強い生薬

漢方は、近年一般のクリニックなどでも処方する医療機関が増えて、認知度も高まっています。
本場中国には漢方専門の医師がいて、東洋医学の観点から患者さんを診察し、患者さんひとりひとりの体質に合わせてお薬を処方しています。
漢方の薬剤として知られる生薬には、スパイスとして使用されるものや、一般の食卓に並ぶもの、とても変わった動植物が原料のものなど様々な種類があります。
葛根湯や麻黄湯などよく知られていて、ドラッグストアで買える処方もありますね。
生薬には、滋養強壮や体質改善をはじめ、ストレスからくる不調に働きかけるものもあります。

エゾウコギ・竜眼肉(リュウガンニク)・茯苓(ブクリョウ)などの生薬は、ストレスによる不調の際によく処方される生薬です。
エゾウコギや竜眼肉、茯苓にはそれぞれ抗ストレスや精神・気持ちを穏やかに安らかにする作用があると考えられています。
また、それらの生薬の働きを助けるために、ビタミンB群やビタミンCをバランスよく摂取することも推奨されます。

以上の生薬は肉体疲労時・病中病後・偏食のお子さんの栄養補給など、一般的な滋養強壮にも効果的です。体の元気だけでなく、心の元気も取り戻したいこの時期に、始めてみたい新習慣です。

環境になじめずつらい気持ちのお子様にも

漢方の処方のなかには、やる気が出ない・気持ちが沈みがち・勉強や仕事が嫌で家から出たくない……そんな時におすすめされるものもあります。
新学年になじめずつらい気持ちのお子様や、進学で心も体も疲れ果ててしまった学生さん、受験という重荷に負けそうになっている受験生にも、よく飲まれている処方もあります。
なんだか気持ちが重い、元気が出ないとき、心療内科や精神科へ行くのはちょっとハードルが高いな、と感じてしまう方も多いでしょう。
お子様の年齢が低いと、余計に「精神科に連れて行くべきなの?」と親御様も迷ってしまうと思います。
ストレスはつらいし、心身に不調が起きているけれど、心療内科や精神科はまだ早いかも……と悩んでいる方に、まずは漢方から始めてみてはいかがでしょうか。

まだ大丈夫、きっと慣れる、と無理を重ねているうちに、どんどんストレスが心身をむしばんでしまうかもしれません。
不調が病気になる前に、穏やかに働きかける漢方で、心身に元気を補給してあげましょう。

どうして春は心身が不安定になりやすいの?

春はどんよりとした冬を抜けて、花が咲き鳥が鳴く華やかな季節です。
でも、一方で「だるい」「うっとうしい」「かったるい」といった、不調を訴える方が増える季節でもあります。
あなたも、新年度の切り替わり時期に疲れやすく寝つきが悪くなったり、「このごろ頭が重痛い」「胃腸の調子が……」と感じたことはありませんか?
なぜ春は疲れやすくなったり、心身の調子が不安定になったりするのでしょうか。

木の芽時って知っていますか

昔から、日本では春に木の芽が一斉にふく時期を「木の芽時」と呼んでおり、俳句の季語にもなっています。
枯野が新緑に染まる良い季節、と思いきや、実は「春の不安定になりやすいころ」を指すのです。
古来、冬にため込んだ老廃物が一気に出てくる時期であり、変化に富んだ季節でもあるため、心身のバランスを崩しやすいと考えられてきました。
現代医学や科学が主流となり、ストレスやバランスという言葉が使われるようになる前から、日本人は春は不調に陥りやすい季節だと実感していたのですね。
ほかにも、心身に負担をかける天候・気候の変動が多い季節です。

三寒四温

三寒四温は、春先に短いスパンで温暖な日と冬寒の日が入れ替わることを指します。
熟語が日本に伝わってから、冬と春の季節の変わり目に、目まぐるしく暖かな日と寒い日が入れ替わる状態を指すようになりました。季節の変わり目は気候が不安定になりますが、三寒四温のころは朝晩・日々の寒暖差が激しく、人体に大きく影響します。
また、気温に変化をもたらす気圧の変動も同時に起きているため、気圧変化によるダメージも受けやすい状態です。

黄砂

黄砂は大陸から偏西風に乗ってやってくる、中国大陸の砂漠や黄土高原の砂塵です。
近年では微細な鉱物・重金属などが、PM2.5と呼ばれる超微細な粒子となって飛来、健康被害を引き起こし、社会問題となっています。
PM2.5は非常に粒子が細かく、吸い込むと肺にまで到達して、体に悪影響を及ぼします。
また、肌や眼に入って炎症を誘発し、不快感でストレスを増大させます。

花粉

いまや日本人の2人に1人が持っているという花粉症。
眼・鼻・のどなど症状は多岐にわたり、微熱や頭重で集中力ややる気を失ってしまうこともあります。
また、近年は肌に付着した花粉で肌荒れが起きるケースも増え、かゆみからストレスになったり、不眠状態が続いたりする方もいます。

菜種梅雨

菜種梅雨とは、3月後半から4月にかけて雨が降りやすい天候が続くことで、桜の開花を遅らせたり、花散らしの雨になったりします。
雨を降らせる低気圧によって体調不良を起こす方にとって、三寒四温同様つらい天候です。

低気圧不調

近年、低気圧による体調不良が注目されています。
不調が起きるタイミングは人によって異なり、低気圧が近づく・雨が降る・低気圧が去るなど様々なパターンで不調が起きます。
主な症状は、頭痛・だるさ・むくみ・めまい・関節痛・動悸・お腹の不調などで、人によって傾向も異なります。
人間は耳で気圧を感知しており、低気圧の影響で耳のそばにある神経が興奮するため、自律神経が乱れて全身症状が出ると考えられています。

木の芽時には多くの不調原因がありますが、その多くが自律神経の乱れにつながります。

春はストレスも花咲く季節

春には桜やチューリップなど、色とりどりの花が咲いて目を楽しませてくれますが、あなたにひそむストレスも一気に芽吹く季節です。
卒業・入学など生活に大きな変化がある方はもちろん、それ以外にも転居や異動、クラス替えなど、環境の変化が起きている方は多いですよね。
周囲の環境が変化し、これまでになかった刺激が加わったり、うまくいかないフラストレーションが蓄積したりするとき、人はストレスを感じます。

ストレスとは、もともと物理用語で、さまざまな外的刺激が加わった際に、心身に負担となって起きる機能変化を指します。
死別の悲しみや病気の苦しみなどはもちろんストレスになりますが、結婚や出産といった一見喜ばしい変化も、大きなストレス要因になります。
春の気候・天候変化も同様で、知らず知らずのうちにストレスは蓄積します。

リフレッシュイメージ

ストレスがもたらす健康維持サイクルの乱れ

ストレスを感じた心身は、健康な間は抵抗しようと頑張ります。
しかし、ストレスを受け続けると心身共に抵抗力が低下し、だんだん不調が起きてきます。
やる気が出ない・だるい・寝付けない・すっきり目覚められない・食欲不振・暴食など、それは様々な形で少しずつ表れ、不調が不調を引き起こし、不調の連鎖になります。
心身がストレスを受け止めきれないほど疲弊してしまったとき、あなたの体と心はストレスによって大きくゆがんでしまっているのです。

自律神経と心身の健康維持

自律神経は、意識に関係なく生命維持に関する機能をコントロールする神経です。
体温調整・呼吸・血圧・消化・循環・排泄など、体調に大きく関わる部分をコントロールしており、寝ている間も働いています。

自律神経は、交感神経と副交感神経、2つの神経がスイッチしながら体調を管理しています。
日中の活動時には交感神経が、夜のリラックス時は副交感神経が優位になり、それぞれ元気に動いたり、ゆったり休んだりできるように体の状態を管理しています。
しかし、過度のストレスや疲れが蓄積すると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経が乱れて心身に不調をきたします。

自律神経の乱れと健康維持サイクル

自律神経はストレスによって乱れてしまいますが、自律神経の乱れによって心身のバランスが崩れ、さらにストレスや不調が募るという負の連鎖が起こります。
自律神経が乱れると心身に起きる、様々な不調をピックアップしました。

体の不調 めまい・頭痛・胃痛・腹痛・お腹の張り・下痢・食欲不振・のどのつまり感・動悸・息切れ・だるさ・むくみ・その他
心の不調 不安・イライラ・不眠・落ち込み・クヨクヨ・集中力の低下・意欲の低下・急な怒りや悲しみ・その他

以上のような不調が続くと、不調そのものがストレスになって、ますます心身への負荷が重くなります。
また、心の不調から暴飲暴食、喫煙・飲酒量の増加、夜更かしなどをするようになって、生活習慣が乱れ体調不良におちいるケースも見られます。
自律神経は生命維持に必要な機能を無意識にコントロールしているため、自律神経の乱れは全身の不定愁訴や気持ちの大きな揺れにつながる恐れがあるのです。

人間の身体は、自律神経による生命維持と、ホルモン分泌免疫力がバランスよく機能しあって、健康状態を維持しています。
健康状態を維持する3つの大きな働きをホメオスタシスと呼びますが、ストレスによる自律神経の乱れは、ホメオスタシスのバランスも崩してしまいます。

ストレスで乱れた自律神経を放置するとどうなる?

ストレスで乱れた自律神経・ホルモンバランス・免疫力を放置したまま、心身の不調を引きずりながら無理を続けていると、本格的な異変を引き起こす可能性があります。
お腹の不調を放置していると、過敏性腸症候群などに発展したり、むくみを放置していると、冷えやめぐりの悪化、突発性難聴を引き起こすケースも考えられます。

心の不調から生活習慣が乱れれば生活習慣病に繋がりますし、不眠が続いて本格的なうつや不安障害に陥る方もいます。
五月病は、まさに春の不調がパンパンに溜まって、心も体も動きが取れなくなった状態といえるでしょう。
今まで普通にやってきた食事や着替えがおっくうになったり、大好きな趣味に興味がわかなくなったら、危険のサインです。

理由のわからない不安感が常にあって、寝付けず眠りが浅い場合も、放置は禁物です。

春の不調と漢方の考え方

春は、漢方の世界でも不調が起きやすい不安定な季節ととらえられています。
気候の変化・環境の変化による心身のストレスは、漢方の世界でも自律神経へ悪影響を及ぼすと考えられているのです。
春の不調と関係が深い、五臓について表にまとめました。

気の流れ・目・筋肉・胆のう・胃腸など。
過剰に働きやすく疲弊しやすい。
ストレスや落ち込みで傷つきやすい。
血や水分の流れ・精神の安定・睡眠・小腸・舌など。春先は弱りやすい。
感情の高ぶりで動悸が起きやすい。
胃・消化吸収・めぐりのバランス・血液や気の産出
悩み・考えすぎによる負担がかかりやすい。
泌尿器・生殖器・腎臓・排泄
むくみに関わり、むくみによる耳の不調にも関係する。

ストレスによる心の不調は、漢方ではが大きく関わると考えます。
心はまさに心臓で、ストレスによって弱り、不調が起こります。
肝は気の流れなどをつかさどり、過剰に反応しやすいため疲れやすい機能です。
いずれもメンタルに関わり、ストレスで傷つきやすいため、ストレスに打ち勝つために重要なポイントとなるまさに「肝心かなめ」ですね。

春の不調と生薬

春は季節の変わり目で、自律神経の乱れや体調不良を起こしやすい要因がたくさんあります。
漢方の世界でも、春の不調を訴える方によく処方される生薬があります。
エゾウコギ・竜眼肉(リュウガンニク)・茯苓(ブクリョウ)などがその代表です。
これらの生薬は、ストレスに強く、心が疲れているときに役立つパワーを秘めていると考えられています。

生薬・漢方は、健康食品ではなくお薬です。
服用する際は、専門の薬剤師がいるらくらくファーマシーにご相談ください。

エゾウコギ——アスリートや宇宙飛行士のパワーの源

エゾウコギはオタネニンジンに似た生薬です。
北海道やシベリアなど寒い地域に自生しており、シベリアの野生トナカイが、極寒の冬を乗り切るために食べると言われ、強い滋養強壮作用を持っています。
エゾウコギは世界的に有名なハーブでもあり、1960年代に抗ストレス作用や疲労回復作用、運動能力や作業能力の向上作用があるとして、旧ソ連を中心に研究が進められました。
抗ストレス・疲労回復・免疫力強化などのほか、美容領域でも期待される生薬です。

竜眼肉(リュウガンニク)——美味しいフルーツだけど実力派

竜眼肉(リュウガンニク)は、ライチに似たフルーツで、生でもドライフルーツにしても食べられます。
生薬としての実力も確かな植物で、気と血が不足している方の気血を補うために使用されます。
強いストレスによって弱った心を養い、穏やかに精神を安定させる働きも期待されています。

茯苓(ブクリョウ)——きのこがもつストレス対抗パワー

茯苓(ブクリョウ)は、松の根に寄生するサルノコシカケ科のマツホドというきのこに似た菌類です。
菌糸がからみあって作る塊を菌核と呼んでおり、その塊を乾燥したものです。
利水作用があり、むくみや気・水のめぐり改善に使用されます。
胃腸の働きが弱っている方にも処方される生薬です。
さらに精神を穏やかに安らかに保つ働きもあり、ストレスによる不調や不定愁訴がある方にも使用されます。

生薬・漢方は、健康食品ではなくお薬です。
服用する際は、専門の薬剤師がいるらくらくファーマシーにご相談ください。

春の不調・五月病に心の元気に合う新習慣を

春は、もともと気候の変動が激しく、そこに環境変化による心身の疲れとストレスが加わるため、調子を崩す方が多いと考えられています。
実際に、医療現場では、うつ病の発症や悪化、認知症の悪化、不定愁訴の多発などが増える時期と言われています。
4月に頑張り続けてようやく立っていた心身が、連休でぷっつり緊張の糸が切れて、動けないほど衰弱してしまった状態が、五月病です。

家族の頑張り、あなたの我慢、積もり積もったストレスが、大切な心と体を壊す前に、できることがあります。
ストレスや心身の疲労、寝つきの悪さ、眠りの浅さなど、春の不快な諸症状に、穏やかに調子を整える漢方も、選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

生薬・漢方は、健康食品ではなくお薬です。
服用する際は、専門の薬剤師がいるらくらくファーマシーにご相談ください。

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